2026年10月31日

「誰に」のピントは、背景で合う ― 名車マスタングに学ぶ発信の軸

動画制作やSNS動画の内製化を始める前の打ち合わせで、私は情報発信の三要素「誰に・何を・どのように」を一緒に整理するお手伝いをしています。社内だけではなかなか決めきれないこの軸を、第三者の立場から言葉にしていく仕事です。

この記事は、動画やSNSで自社を発信している中小企業の方に向けて、「誰に」の考え方を名車マスタングの事例とあわせてまとめたものです。

この記事でわかること

  • SNSやチラシで反応が出る発信と、出ない発信の違い
  • 「誰に」を決めるときに抜けやすいもの
  • 名車マスタングに学ぶ「誰に」の決め方
  • 自社の動画づくりに活かすための3つの問い

「誰に」のピントが合っていない発信が多い理由

以前、ニッチ戦略で有名な先生から「ここが決まらないまま配信すると、発信がすべて無駄になる」と教わりました。

SNSやチラシで反応が出るのは、「誰に、何を、どのように」のピントがぴたりと合っているときです。ところが、ほとんどの発信はピントが合っていません。

「誰に」を考えても、男性か女性か、年齢、地域。そこから先がなかなか出てこない。

多くの場合、その人の「背景」が抜けているからです。

そしてもうひとつ大切なのが、順番です。誰に伝えるかを考える前に、まず誰に売るかを絞る。商品をつくる段階で売る相手を決めてこそ、伝える言葉も定まります。

この「誰に」の言語化は、訓練が必要で、奥が深い。そこで今回は、「誰に」を考えるうえでとても参考になる、ある名車の話を紹介します。

発売直後の週末で2万2000台を売った「マスタング」

発売直後の週末だけで2万2000台を超える注文が入った車、「フォード・マスタング」をご存じでしょうか?

なぜ、これほど多くの人に「欲しい」と思わせ、買わせることができたのか。

「どんな人に、どんな車を届けようとしたのか」に注目して、まずはこの動画をご覧ください。

▶ YouTubeで見る:マスタング誕生の話(ショート動画)

「若者向け」で終わらせなかったから、売れた

この話で私が面白いと思ったのは、「若者向けの車をつくろう」で終わっていないところです。

かっこいい車に乗りたい。
でも、使えるお金は限られている。

「若者」という属性だけでなく、その人が置かれている背景まで見えています。

そんな若者に、手の届く価格で、自分好みの一台に乗ってもらう。「誰に」が具体的だから、「どんな車を、いくらで届けるか」まで一本の線でつながっています。

しかも実際の広告でも、かっこよさと価格を前面に打ち出していたそうです。

商品づくりと情報発信が、同じ相手を見ている。ここは、私たちの仕事にもそのまま活かせると感じました。

自社の動画づくりに活かすには

たとえば、動画で自社を紹介するとき。「うちには、こんな技術があります」と伝える前に、次の3つを考えてみてください。

  • その技術を必要としているのは、誰なのか
  • その人は、何に困っているのか
  • 何がわかれば「相談してみよう」と思えるのか

ここまで考えると、見せるものも、伝える言葉も、きっと変わってきます。

まとめ:「誰に」を背景まで具体的に

「誰に、何を」は、簡単な言葉です。でも、「誰に」を背景まで具体的にしていくほど、「何を」伝えるべきかが見えてくる。

あなたが今、届けたい相手は、どんな状況にいる人でしょうか?

そこから考え直してみると、これまでとは違う「誰に」が見えてくるかもしれません。

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